ヘボコン誕生前夜

この記事はヘボコンAdvent Calendar 2017の11日目の記事です。 
adventar.org

3年前に誕生した「技術力の低い人限定ロボコン通称ヘボコン」は瞬く間に世界中で愛されるイベントになった。

僕は記念すべき第1回ヘボコン大会に出場した。
作ったロボットは弱くて、かといってそこまでヘボくもなく、ほどほどの成績で終了した。

その10日ほど前、僕の元へ現ヘボコンファウンダーの石川さんからメールが届いていた。それを見て、その件名に驚愕した。


「ヘボコンの告知ニコ生に出ていただけませんか」


本番前に知ってる人たちで試しにやってみましょうというお誘いだった。
第1回ヘボコン大会、その直前に本当の最初のヘボコンがあったのだ。

ユズルロボ

僕が作ったロボットはユズルロボという。
回転するアームで近づいてくる敵を弾き飛ばす戦法を持っているのだ。

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/stamefusa/20140629/20140629181937.jpg

stamefusa.hateblo.jp

ニコ生会場のニフティに着くと、ユズルロボの対戦相手が待っていた。
斎藤充博さんの「amaging quick floor」だ。

f:id:stamefusa:20171211231339j:plain
左がamaging quick floor。右はグソクムシです。


幅広いボディからすくい投げを決めるロボットだ。
事前の出場ロボット紹介の記事を見て、「これめちゃめちゃに強いやつじゃん…」って思ったロボットが目の前に。あと名前のかっこよさにもマジかと思ったのも覚えている。こっちはユズルロボだぞ。羽生結弦ファンから結構RTされてビビってたんだから。

f:id:stamefusa:20140717201356j:plain

対峙する2体。僕はこのときまだデイリーのライターではなかったのもあって、製作者の斎藤さんとも初めて対峙することになった(めちゃめちゃ緊張した)。

それにしたって相性が悪すぎる相手である。なんといってもユズルロボは自分で移動出来ないカウンターにパラメータを全振りした機体なのだ。そこに突っ込んでくるamaging quick floor。足元をすくわれるために棒立ちのユズルロボという構図である。
しかしユズルロボの特徴である高速回転するアームがヒットすることで、勝負はわからなくなるかもしれない。当たりどころが悪ければamaging quick floorは方向を変え、場外に向かってまっしぐらに進む可能性だってあるのだ。

そして地球上で最初の試合が始まった。

当時の様子の写真はないので、僕のイラストで再現したい。色々とご容赦ください。

f:id:stamefusa:20171211231440p:plain

スタート!さあやってやれユズルロボ!お前のパンチを食らわせてアメージングって言わせてやれ!

f:id:stamefusa:20171211231520p:plain

近づいて来た!さあどうなる!

f:id:stamefusa:20171211231603p:plain

f:id:stamefusa:20171211231702p:plain

あっそういうパターンね〜〜〜なるほどね〜〜〜


f:id:stamefusa:20171211231803g:plain


ユズルロボのアームが高くて当たらなかった。アメージングであった。

なんかこう、「どっちのロボットの攻撃が強いんだ!」というロボット対決なら当然知りたい比較の前に、「ヘボいロボは自由度が高すぎてそもそも攻撃が当たらない展開がある」という現象が起きることを初めて知って、目からうろこがフォーリングしまくりだったのだ。

こんな常識破りの展開が2日後にはたくさん見られるのか!と大いにワクワクしたのを覚えている。

あと、ヘボコンに出た人はわかると思うんですけど、負けたらものすごく悔しい!見た目(と性能)はヘボでも作る人は大真面目なのだ。めっちゃくちゃアツくなってしまう。本気で応援してしまう辺りも大発見だった。


ということで人類史上初のヘボコンは大興奮の嵐だった。もちろん、その2日後の本番は言わずもがなだ。
このときの僕はまさに、ジョブズに発売前のiPhoneを見せてもらった孫正義状態だったのだ。これからはヘボコン界の孫正義だと言って各方面から怒られようと思う。

f:id:stamefusa:20171211025027j:plain
ニコ生のキャプチャを1枚だけ残していた。物持ちがいい。
live.nicovideo.jp


次はAyu Tabukiさんです!よろしくお願いします!