Maker Faire Bay Areaは日本のとだいぶ違ってた

もう3週間も前になるが、Maker Faire Bay Area(以下MFBA)に行ってきた。

 
MakerとはいろんなジャンルのDIYをやる人で、Maker FaireはMakerがたくさん集まってきて作ったものを展示するイベント。
世界各地で開催されていて、東京でも開催されている。(このエントリを読む人は大体知っているだろうけど…)
 
MFBAは元祖というか総本山な立ち位置で、ずっと行きたかったのだが、念願叶ってついに行くことが出来た。
そして「東京でやっているのとは何だか根底に流れているものから違うぞ」と感じることが多かったので、備忘録を兼ねて感想を書きたい。
 
東京でもMaker Faireは開催されていると書いた。Maker Faire Tokyo(MFT)だ。
どういう展示物があるかは上述のfabcrossのレポートや、Make: Japanのレポートを読むとなんとなく把握出来ると思う。長机をたくさん並べて、そこに自作のガジェットやらなんやらを展示するというものが基本的なスタイルだ。コミケの電子工作版というか、DIY版と言ったらいいだろうか。
 
一方でMFBAはこんな感じであった。

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なんというか、広い。ここが一番大きい会場で、大体MFTの会場のビッグサイト西3と同じくらいの大きさなのだが、こういう会場があと5つくらいある。

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「ZONE2」が先ほどの建物。屋内外合わせてZONE10まである。

 

MFTに行く人は大体が「新しいガジェットとか、Arduinoやラズパイを使った自作の面白かっこいいガジェット」を期待して行くように思う。
まず言いたいのが、そういうのはベイエリアより東京の方がすごいのいっぱいあるぞ!ということだ。
もちろん色々とガジェット関係の展示はあるのだけど、何か前提がそもそも違うのだ。この辺を期待してMFBAに行くと満足しきれないかもしれない。
 
僕がMFBAに期待していたものは、こういうモノたちだ。

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火を噴く鉄製のカマキリ。柵とかは一切ない。

 

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ドローン同士をぶつけて落とした方が勝ちというドローンバトル。ぶつかってプロペラが飛び散るたびに実況のおじさんがOhとかWowとか言っている。

 

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会場に20m×40mくらいのプールを用意して、船を浮かべて操縦するやつ。

 

なんというか、アメリカっぽい。広さを活かしていたり、無意味に火を噴いていたり。特に火を噴くやつは去年のレポートを見てどうしても見たかったので、実際に見た時は大変興奮した。

 

でも、MFBAはもっと自由だったのだ。

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火を噴くオブジェの後ろのやつはなんなんだ(ダ・ヴィンチが設計した車を再現したものとのこと)。

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ペダルを漕ぐと全体が回転するブランコ。これディズニーランドのパレードで同じようなやつ見たぞ。

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ハンドドリルの回転を利用して走るミニ四駆的なレース。子どもたちがエントリーし続けて1日じゅうレースしていた。

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ワイヤーフレームの恐竜だ。こういう着ぐるみと言っていいのかわからないのがたくさんいた。

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ひもで手が吊るしてあって、ハイタッチ出来るかチャレンジするもの。

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いろんな自転車レース。カートでのレースもあった。

 

屋外の展示が面白すぎるのだ。日本では見聞き・体験出来ないものが多すぎる。

 

僕が一番お気に入りだったのはこれだ。

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robotdancepartyというらしい(背中に貼り付けてあった)。スピーカーが埋め込まれていて、ロボット(?)が踊っている。

思わず動画を撮影した。

www.youtube.com

もちろん前述した通り、最先端っぽいガジェットや特に電子工作をするMaker向けのツールなんかの展示や販売もたくさんある。でも、屋外の自由な展示を目の当たりにしてしまうと、僕の中ではもうどうでも良くなってしまった。

「技術的にすごくなくてもいいんだよ、お前が楽しいと思うものを作れよ」と言われた気分だった。

 

特に個人的に衝撃だったのがこのトークセッションだ。

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Meet the Superhero Cyborgs!」というセッションである。手足の欠損という障害を持つ子どもたちが、義手や義足を自分で作って発表するという内容だった。彼・彼女たちは電子回路で動くようにしたり水鉄砲にしたり(!)、まさにサイボーグになるための改造を施していた。

「こんなの作ったよ!かっこいいでしょ!」と堂々と発表して、それに対して素直に賞賛の声が上がっていた。これがアメリカなのか、Makerとはこういうことかと本当に考えさせられた。

 

別に日本がこうならないとダメとか、そういうことを言うつもりはまったくなくて、日本は日本で最高に面白いイベントだと思っている。でも、なかなか日本では出来ないことがMFBAでは行われていた。この空気感を体感するために参加しに行くのは大いにアリだと思う。僕はもう毎年行きたい気分だ。